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いい寝!フォーラム・トップ > Contents > 脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ「眠りの質が下がると短期的にも長期的にも不利」

脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ。良い眠りのためには、眠りの仕組みを学ぶことも大切。なぜ眠りは必要なのか。そして眠りはどうコントロールされているのか。覚醒を制御するオレキシンという物質の発見者であり、睡眠と覚醒の仕組みを巡って最先端の研究を続けている金沢大学医薬保健研究域医学系の櫻井武教授に伺いました。

2.眠りの質が下がると短期的にも長期的にも不利

何時間眠ればいいのかという睡眠の必要量には遺伝的な素因が深く関係しており、個人差が大きくなります。3時間で十分な人もいれば、8時間でも足りない人もいるのです。ですから、睡眠時間を気にするより、日中のパフォーマンスに目を向けてみましょう。

何時間の睡眠でも、朝すっきり起きられて、日中眠気がなく集中力が途切れない「フルアラートネス」ですごせることが大切。朝起きたときに眠気を感じて「起きたくない」と感じたり、日中に眠気が出て集中力が下がるのは、睡眠時間が不足しており、必要なシナプスの再構築が完全に終わっていない証拠です。また、中途覚醒が2回以上あると睡眠障害の可能性があります。

量質ともに最適な睡眠が得られないと短期的には脳のパフォーマンスがダウン。集中力と注意力が落ち、仕事の効率が悪くなりますし、交通事故やオペレーションミスのようなヒューマンエラーのリスクが高まります。

長期的には健康に悪い影響が出てきます。メカニズムは完全に解明されていませんが、多くの方の眠りと健康の関連をリサーチした疫学的な調査では、短時間睡眠だと肥満の頻度が高くなり、糖尿病や高血圧といったメタボリック・シンドロームに罹りやすくなることがわかっています。

櫻井武

櫻井武(さくらい・たけし)

金沢大学医薬保健研究域医学系教授、医師、医学博士。
1964年、東京都生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授兼科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業グループリーターを経て、現職。98年、覚醒を制御する神経ペプチド、オレキシンを発見。睡眠と覚醒、摂食行動、情動などを制御する仕組みの解明を目指し、最先端の研究を続けている。

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