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いい寝!フォーラム・トップ > Contents > 脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ「脳は部分的に寝たり、起きたりしている」

脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ。良い眠りのためには、眠りの仕組みを学ぶことも大切。なぜ眠りは必要なのか。そして眠りはどうコントロールされているのか。覚醒を制御するオレキシンという物質の発見者であり、睡眠と覚醒の仕組みを巡って最先端の研究を続けている金沢大学医薬保健研究域医学系の櫻井武教授に伺いました。

3.脳は部分的に寝たり、起きたりしている

睡眠と覚醒は脳全体で一斉に起こると長年思われてきましたが、近年になって脳は部分的に寝たり、起きたりしている事実がわかってきました。

脳は部分的に寝たり、起きたりしている

他の臓器はどこを切っても金太郎飴のように同じ機能を担っていますが、脳には機能局在があり、場所によって異なる機能を担っています。そして日中活発に使った部分ほど、眠りが深くなる傾向があるのです。

たとえば、言葉とコミュニケーションに関わる言語中枢は左側の前頭葉の下にあります。会議などで言葉を駆使して活発にコミュニケーションを交わしたときは、この左側の前頭葉の下が深く眠りますが、あまり使わなかった他の部分はそれほど深く眠らないのです。

このように部分的に脳が眠る現象を「ローカルスリープ」と呼びます。

起きているときでも脳の不要な部分は部分的に休んで寝ていますし、寝ている間でも脳の一部が活発に働いていることもあります。むしろ脳全体が起きたり、寝たりしている状況の方が少ないといえるかもしれません。

櫻井武

櫻井武(さくらい・たけし)

金沢大学医薬保健研究域医学系教授、医師、医学博士。
1964年、東京都生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授兼科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業グループリーターを経て、現職。98年、覚醒を制御する神経ペプチド、オレキシンを発見。睡眠と覚醒、摂食行動、情動などを制御する仕組みの解明を目指し、最先端の研究を続けている。

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