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いい寝!フォーラム・トップ > Contents > 脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ「眠りを司るのは体内時計だけではない」

脳科学から眠りのサイエンスを学ぶ。良い眠りのためには、眠りの仕組みを学ぶことも大切。なぜ眠りは必要なのか。そして眠りはどうコントロールされているのか。覚醒を制御するオレキシンという物質の発見者であり、睡眠と覚醒の仕組みを巡って最先端の研究を続けている金沢大学医薬保健研究域医学系の櫻井武教授に伺いました。

4.眠りを司るのは体内時計だけではない

視床下部にある視交叉上核という部分には、ヒトの覚醒と睡眠のリズムを切り替えている体内時計があります。朝日を浴びると目からの刺激で体内時計がリセットされて、1日24時間の明暗のリズムに応じ、体内時計が覚醒と睡眠をコントロールするのです。

しかし、覚醒と睡眠を司るのは体内時計だけではありません。実際は昼間にどれだけ脳を働かせたかという「活動履歴」も大きく関わっています。

眠りを司るのは体内時計だけではない

動物によって体内時計と活動履歴が睡眠に与える影響の大きさには差がありますが、発達した脳を持つヒトでは活動履歴が眠りに与えるインパクトは大きくなります。

睡眠と覚醒は表裏一体。覚醒の質が高まると睡眠の質も高くなります。具体的には昼間にきちんと起きて、集中力も注意力も高くキープして脳を積極的に活動させてあげると、そのリカバリーのために睡眠の要求度が高くなり、睡眠の量も量も高まります。

早起きして朝日を浴びると体内時計がリセットされ、早寝早起きになるとされています。それは真実ですが、早起きすると起きている時間帯が前倒しになり、早い時刻から働き続けている脳を早くリペアするために、早寝できるようになるという側面もあるのです。

櫻井武

櫻井武(さくらい・たけし)

金沢大学医薬保健研究域医学系教授、医師、医学博士。
1964年、東京都生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授兼科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業グループリーターを経て、現職。98年、覚醒を制御する神経ペプチド、オレキシンを発見。睡眠と覚醒、摂食行動、情動などを制御する仕組みの解明を目指し、最先端の研究を続けている。

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